資源評価事業をデータフローダイアグラムで眺める

資源評価を学び直そうかと言ってから 1 年経った。 ちょうど最近、データフローダイアグラム(DFD)に関する本を読んだので、実践を兼ねて資源評価事業を DFD 図示してみようと思う。

描いてみたのは下記:

  • 最も外側の概要を示す 「コンテキストダイアグラム」
  • DFD としては一番荒い 「レベル0 DFD」
  • 上記を 1 段階詳細化した 「レベル1 DFD」

コンテキストダイアグラム

資源評価事業の関心領域を示したのが下図。

資源評価事業は、これら 3 つの外部エンティティとのやりとりで成り立っている

資源評価事業は、これら 3 つの外部エンティティとのやりとりで成り立っている

資源評価業務は中央に円で示されたプロセスで、これが 3 つの外部エンティティ「調査・研究」「JV 機関1」「ステークホルダー」との間で情報をやりとりしている様子が示されている。

  • 調査・研究: 主に水産研究・教育機構や大学などの研究機関の成果を利用する。卵稚仔の分布密度や成熟率曲線、死亡率などのデータがこれにあたる
  • JV 機関: 各都道府県の水産試験場や民間の研究機関などから水揚データや環境データの提供を受ける
  • ステークホルダー: 事業委託元である水産庁、漁業活動の主体である漁業者、レビュー機関としての JV 機関がこれに該当する

資源評価事業とは、これら 3 つの外部エンティティとの連携で実行されるプロセスである。 簡素な図だが、資源評価に馴染みのない人にとっては、このレベルの概略図でもある程度有用と思われる。

レベル0 DFD

コンテキストダイアグラムを 1 段階詳細化したのが下図。

提案書という存在が見えるレベルの図示

提案書という存在が見えるレベルの図示

コンテキストダイアグラムで描かれていた外部エンティティ「調査・研究」および「JV 機関」はここでは表示しないこととして、両者からのデータは given なものとして扱っている。 「ステークホルダー」だけは、承認手続きにおける往復のやりとりが特に重要なので残してある。 実際の業務では、ステークホルダーから寄せられる質疑や再計算依頼などはほぼ課題管理しているので、これを「チケット化」というプロセスで明示してみた。 ステークホルダーとの間にあるデータストアは計算結果を web ページあるいは PDF の形で固定化したもの。 参照頻度が多いので、これらをデータストアとして認識するのはやや重要と思う。 一方で「提案書執筆」プロセスに向かうデータの出どころである「計算結果」というデータストアは、この形で表現するのが適切かどうか微妙なところではあるが、実際に提案書を執筆していた感触としては、執筆中は計算結果に向かう時間がそこそこ長いのでこれはこれで良いかなと思う。 この図を書きながら、「MSY 推定会議2」なるものの出力を利用していることを思い出した。

レベル1 DFD

レベル0 DFD の上流にあった「資源計算」→「計算結果」の部分をさらに詳細化したのが下図。

数値計算的なコア部分。状態依存があまりなく、現時点でも数値計算パッケージと人力アプリケーションロジックで運営されている

数値計算的なコア部分。状態依存があまりなく、現時点でも数値計算パッケージと人力アプリケーションロジックで運営されている

またこれはいわゆる「資源評価結果 詳細版」にもフローチャートとして描かれている(データとプロセス・エッジとノードの図示方法がちょうど逆だが)。

このレベル1 DFD 中には 2 つの外部エンティティ「再生産関係推定」「MSY 推定」が登場している。 さらっと描かれているが、内容としてはこれらは結構重い。

まとめ

レベル0 DFD までしか描かなかったプロセスもあるし、またレベル2 DFD 以下にもまだまだ掘り下げられるが、ここまで見てきた部分が事業のコア部分であり、このくらいが必要十分な図示レベルな気がする。

時間があったら、ここで扱ったプロセスについてモデル化してみたい。


  1. “Joint Venture” の略だが、この呼び方をするのは内部の人間だけだったかも。正式には「参画機関」が適切と思われる ↩︎

  2. 正式名称は「研究機関会議」か?(うろ覚え) ↩︎


comments powered by Disqus